JPSA(日本プロサーフィン連盟)公式戦「ジャパンプロサーフィンツアー2009」の全10戦が10月4日に無事終了しました。

我々南洲会は、多くの日本のプロサーファーが世界のトップレベルで活躍することを目指して、本年度よりサーフィンのスポーツ医科学的分析とJPSA公式戦のメディカルサポート、そしてISM(国際スポーツ医科学研究所)契約選手のトレーニングやコンディショニングなどのサーフィン整形外科プロジェクトを開始しました。
大会のメディカルサポートには、ドクターとナースそしてPT、ATがチームとして参加し、大会会場にメディカルステーションを設置して選手のメディカルチェックやストレッチ・マッサージ、テーピング、負傷した選手のケアなどと共にアンケートによる傷害調査を行いました。

メディカルステーションを利用した選手は、ショートボード全4戦で1戦あたり平均40.7人(34.2%)、のべ平均63回、ロングボードは全5戦で1戦あたり平均31.4人(28.8%)、のべ平均46回でした。
ショートボードの選手の方が多少フィジカルに対する意識が高いようでした。
中でも本年度ショートボードの女子グランドチャンピオンになった谷口絵里菜選手や御宿在住のハワイアンであるユージン・ティール選手は、ヒートの合間毎にステーションを利用してくれて、素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。また、大会期間中の選手の外傷は、膝MCL損傷1件、肩関節亜脱臼2件、リーフでの下肢の切創が複数件程度で、あまり大きな外傷は無いままシーズンを終えることが出来ました。

アンケートによる傷害調査は、ショートボード68人(解答率45.0%)、ロングボード55人(解答率43.0%)でした。この分析結果の一部は、本年度の日本臨床スポーツ医学会学術集会および千葉大学整形外科学教室例会にて早速発表する予定です。
また、ISM契約選手は本年度はショートボード5名、ロングボード1名で、我々にとってもまだパイロットスタディーの域を出ませんが、どの選手もシーズン後半は昨年度よりも上位のヒートまで勝ち上がれるようになり、まだわずかですがトレーニングの成果が表れているようです。
全9戦の試合の帯同は、場所は千葉が4戦、茨城2戦、湘南・静岡・高知がそれぞれ1戦ずつで、1戦あたり3~4日間と結果的に普段の業務にかなり穴を開けたこととなり、その分を補って下さったクリニックやスポーツクラブの職員には大変感謝しております。その甲斐あって、シーズン後半には、我々の活動の選手たちへの認知度がかなり上がり、選手の意識の向上に多少なりとも貢献できたと思います。
そして、選手の大部分が今後も大会会場にメディカルステーションの設置を希望し、機会があれば是非トレーニングを受けてみたいとの意見を頂きました。
今後は、今シーズン収穫したデータの更なる解析とともに、サーフィンのスポーツ特性の分析やパフォーマンス向上の方法論の確立などを進めていきたいと思います。中でも、サーフィン先進国であるオーストラリアにあるサーフィン協会「Sufing Australia」の活動を参考に研究していく計画です。
昨今、景気の低迷に加えて覚せい剤騒動などサーフィンの世間的なイメージは非常に悪く、サーフィン業界も経済的に困窮しています。しかしながら四方を海に囲まれ、毎年台風がもたらす素晴らしい波が立つ日本において、サーフィンというスポーツはもっと発展する可能性を秘めています。その発展に少しでも貢献できるようスポーツ医科学面からの研究と活動を続けていきたいと考えておりますので、皆様方のご協力とご支援を今後ともよろしくお願いしたいと思います。
医療法人社団南洲会
勝浦整形外科クリニック
副院長 稲田邦匡